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校長記事‐根の深い木 4‐

カナダ・トロント ノースヨークセントラルアカデミー ブログ

中学入試で「記述式問題」と聞くと、ひるんでしまう男子生徒がいます。かつては国語の記述式問題を空白にしたまま算数で得点を稼いで合格する生徒もいましたが、配点の高い記述式の割合が増えた昨今の入試ではそんな方法は通用しなくなってしまいました。

「〜についてあなたの考えを80字以内で書きなさい」というような自分の考えを表現させる出題や、さまざまな観点から問題に向き合う教科横断型の出題が増え、受験生は思考力と表現力をフルに発揮して解答しなくてはなりません。この傾向はさらに強くなり、今春の開成中学のカニ弁当問題に見られるような新しいタイプの記述問題を導入する学校がさらに増えて行くと思われます。

文章を書くことが苦手な男子はたくさんいますが、何はともあれ、自分が感じた感覚や目にしていることを的確に説明することを学ぶのはこれからの学習には不可欠です。人は言葉でものを考えるわけですし言葉をたくさん知っていれば思考の幅がより広がります。語彙数が増えることで物事の解釈の仕方も変わってきますし、アウトプットとしての表現も変わってきます。逆に言うと自分が見たことも聞いたこともない言葉で、物事を考えることはできません。ですから使える言葉を増やすことが大切なのです。

長文読解において文章の難易度はそこで使用される語彙のレベルによって決定されますが、実際の中学入試では小学生の日常生活では使用されるはずもないような言葉がたくさん出てきます。日常の学習でも知らない言葉を一つずつ辞書で調べるのも続かない作業です。できれば、日常会話自体が調べたい言葉の例文オンパレードならば最高に合理的です。周りにいる大人が大人言葉でアプローチして日常的なコミュニケーションに巻き込んで行くことが、語彙を増やすには効果的です。

もちろん言葉だけでは不十分で、誰かに何かを的確に伝えるには、そこに論理が必要です。主張と根拠をつなぐもの、それが論理です。

大学入試の小論文では、根拠と主張をつなぐプロセスが明解で納得性が高いものが合格点です。

語彙数を増やしながら論理的に思考力を高めることで、やがて優れたプレゼンやコミュニケーションができるようになり、社会人になってからも有効なスキルになります。

 

使える語彙数を増やす生活を目指しましょう。