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校長記事‐根の深い木 5‐

カナダ・トロント ノースヨークセントラルアカデミー ブログ

自分が読んで面白かった本を知り合いに薦めたけれど、喜ばれなかったという経験が何回もあります。趣味の押し売りにしかなりませんでした。少なくとも同世代でないと共感は得られないと知りました。こちらが良かれと思って薦めても全く響かないことってあります。

親は、子どもに読書を勧めるとき、ついつい「読ませたい本」を選んでしまうものです。先回りしてしまいます。

子どもが「読みたい本」を読ませてやらないと読んでくれません。

本は「自分から」でなければ読むようにならないのです。

子どもに読書の習慣を身につけさせるのに一番効果的なのは、子どもが関心を持つ分野の本に触れさせてやることではないでしょうか。

子ども自身が興味の延長線上で親しめるきっかけを作ってやることが読書を習慣づけるような気がします。親が読ませたい本を押しつけても子どもは辛いだけです。

子どもの関心に合わせて本を選んで与えることが、子どもを本好きにするのではないでしょうか。

純粋な心を持っている時期に、興味がわいた本に親しむことで、感受性が豊かになります。小説を読んで、自分が不幸だと感じていたことも、とてもちっぽけなものに思えてくることもあります。私は小説から得た感動や教訓がなかったら、自分は語り合うもののない退屈な人になってしまうのではないかと想像することもあります。そして今、こうして何かを伝えようとしていることは、全て誰かから、何かから教わったことばかりだと気づきます。

子どもの成長段階に応じて、子どもが関心を持つ分野を中心に、読書に親しめる時間を大切にしてやりたいものです。

とにもかくにも好きな本を与えて、活字に親しませることです。

読んだ文章に線を引かせたり空欄を補わせたりすることが読書より先になるのは、子どもにとってはかわいそうです。