
10年前にはネットやコンピュータを"使う人"と"使わない人"の間に経済格差があるという意味でデジタルデバイドという言葉がありました。
かつては検索エンジンというツールを使うスキルがあるかないかで、情報格差が生じていました。
しかし、通信手段や環境などの格差はあっという間に埋まって行きました。
確かに1人でデジタルの世界に没頭したほうが能力を発揮しやすい人はいます。
その反動か、デジタルに逆行するアナログで対人的な「トラブルを解決できる」とか「宴会の幹事がやれる」などは、現実的には高い評価を得られるスキルとなっています。
デジタルを活用できても人を相手にすると、まるで活躍できない人もいるからです。
対人ストレスや縁の下の力持ち的な働きに価値を見出せないという人も多いのでしょう。
さて、中学入試や大学入試では記述式問題や小論文でコミュニケーション能力や論理的思考能力が問われます。
もちろん突然、そういう能力が必要となったわけではありません。
コミュニケーション能力も論理的思考能力も普遍的なものです。
今は誰でもどんなことでもネットですぐに検索できます。
「調べて知っている価値」ではなく「何ができるか」を評価する時代になるということです。
高校では既に、2020年度に共通テストを最初に受験する、2018年度入学の高校1年生への指導や評価をどう変えていくかを検討し始めています。「何ができるか」というのはどのように考え・判断し・表現するかも含みます。
家庭でも、ニュースで目にした社会問題を話題にして、親子でその解決策について話し合ってみるなど、「思考力・判断力・表現力」を育んでいくことが、とても良いトレーニングになるのではないでしょうか。
検索ばかりの知識ではなく、自分はどのように考えるか、人はどのように考えるかを知るのが大切です。