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校長記事 -根の深い木 12-

わが子が将来、どんな職業に就きたいかに耳をかたむけたことがありますか?

 

子どもは、それぞれに人としてのちがいがあって、みんながみんな同じように学校の勉強が得意だったり、運動が得意だったりはしません。

 かけっこや鉄棒が得意な子もいれば、苦手な子もいるし、歌の上手な子もいればへたな子もいますし、お絵かきは得意だけれどそのほかのことにはまるで関心が持てない子もいます。子どもの能力や特性は個々に異なります。

 オールジャンル可も不可もなくの子もいます。子どもがいろいろなのは、なんの不思議もないことです。

 

ところが、多くの親が勉強のことになると、「よくできるように」と願います。ですから、子どもの勉強に対する姿勢が投げやりだと、ついイライラしがちです。思い入れが強すぎるためついつい感情的になるのが"親”なのです。

 親は子どもの幼少期には、あらゆる未来への可能性を信じます。あるいはみんなと同じようにできることを期待していろんな機会を与えます。後天的に我が子が大物になると、はるか大きな期待をかけすぎることもあります。

子どもに対する夢がつぎつぎに破れていくことで、よその子と比較したりがっかりしたりする親もいます。

 

子どもが成長するにつれて夢や期待は現実に変わって行きます。

 

大人は現実を知っているので、子どもが「F1レーサーになりたい」とか「ミュージシャンになりたい」と言っても、心の中では、安定した会社員人生を歩んでほしいと思っています。だからこそ「勉強しなさい」と小さい頃から教えます。

 安定させてやりたいし、お金で苦労させたくないので「医者になりなさい」とか「公務員になりなさい」と言います。これは、エゴではなく親心なのかもしれません。

 

近年の調査では、「親が子どもになってほしい1位の職業」は公務員で、「子どもが将来なりたい職業の1位」がYou Tuber(ユーチューバー)だそうです。

 

子どもにどうしてやればいいのかを迷っていらっしゃる親がいます。育て方を習ってから産むわけではありませんから親だって迷います。

 

一番いいのは、子ども自身が「自分がやりたいのはこれだ」という道が見つかるように手助けしてやれることです。

しかし、外部環境は複雑になり、生き方も多様化してきているので、選択も決断も難しくなっています。

そしてどんなに世の中が多様化していても職業分類では、今のところ日本の労働人口の8割は会社員です。

 一方で、高学歴を得ていい会社に入ることが本当に幸せなのかと迷う親もいらっしゃいます。

まして本人は大学に進学してもなかなか卒業後の目標が定まらず、「就職する」という目標しか持てません。何になりたいと聞かれて、「正社員」・・これではサラリーマン川柳です。

 

 できるだけ早い時点で、子どもの限られた能力や得手不得手を見極めて、現実的な方法で確かなモノを勝ち取ることができるように鍛えてやれるのが良いのではないでしょうか。それを果たすためには、親子は相当なコミュニケーション量が必要です。