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校長記事 -根の深い木 13-

中学生になると、学校の勉強が実用的ではないと感じ始めます。

少しずつ将来のことを考え始めるなら当然です。

自分の将来の夢と今やっている勉強が、どう結びつくのかわからないので、学校の勉強がつまらないこともあります。

 

なのに、夢を持てと言われます。

 

「夢を持とう」「夢を持ち続ければいつかは叶う」と有名なアスリートも成功した起業家もしきりに夢について語ります。

「自分は小さい頃から夢を持ち続け、それに向かって努力し続けてついに、夢は叶った。皆さんも是非夢を持って欲しい。夢に向かって頑張ればいつか現実になります」・・

塾の先生まで、そう語ります。お父さんやお母さんよりずっと、熱く語る人もいます。

子ども達はそういう話を聴いて、夢を持たなければならないと考えるようになります。

 

しかし、アスリートも起業家も夢を持ち続けたというだけで成功したわけではありません。特に中学生に向けては、こうしたケースにおいて夢という言葉が多用されて、具体的な努力の内容に触れられることはあまりありません。

 

実際には、大多数が大学3年生の冬になれば、企業探しを始めることになります。

会社員は子どもの頃の夢ではありませんでしたが、夢を持たなかったから会社員になるわけではありませんし、一生懸命勉強した人がやはり多くの場合、うまく就活が進みます。

会社員のことを今は敬意を込めて「ビジネスパーソン」と呼びます。

そしてビジネスパーソンにもっともっと世界で活躍してもらいたいという議論が増えてきています。ビジネスパーソンは素晴らしい夢です。

特に、既に今現在、外国で生活している日本人小・中学生は、有利です。

世界で活躍するというのは、いろんなバックグラウンドを持つ人たちとコミュニケーションして互いに理解し合い、新しい価値を生み出すことができるからです。

 

学校の授業は、それを養う科目が何なのかがわかりません。

強いて挙げれば英語でしょうか。

 

「夢を持て」ばかりではなく、何のために、何を、どの段階で学んでいくべきかを具体的に教えてもらえたらよかったのに・・と将来思うことでしょう。

 社会で求められる人材像や能力は、その時代や環境によりどんどん変わって行きます。しかも実社会での正解は常に更新されて行きます。

現段階では、「これが正解らしい」と受け取られているに過ぎません。

ただ、普遍的に必要な力として「マネジメントする力」「課題を発見して解決する力」「コミュニケーションする力」は間違いないように思います。

 

加えてこれからは「グローバルな感覚」「文化や伝統の理解に基づく認識」「あたたかい配慮」というようなことも能力として含まれていくのかもしれません。