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校長記事 -根の深い木 17-

中学入試では、国語だけでなく理科でも社会でも記述式問題が出題されます。

また、2020年教育改革では大学入学共通テストで数学にも記述式問題が出題されることが決定しています。さらに、国語では(教科の枠を越えてあえて国語で出題されているのですが)「自分の考え」を書かせるタイプの問題が増えてきています。

これは中学受験生には避けられないものとして、すっかり定着していて、記述式問題を見るだけで怯んでしまう生徒がいたのは「今は昔」の話です。

「書くことをいやがらない」という学習姿勢が仕上がっているのは、中学受験学習の大きな果実です。

中学受験を経験している生徒にとっては「記述力・表現力」を早い段階から学んでいますから、大学入学共通テストでの「記述式問題」を抵抗なく受け入れることでしょう。

ところで、「自分の考え」には模範解答がありませんよね。選択肢問題では、自分の答えが「正解であるという確信」を持てることがありますが、「自分の考え」を記述する場合は正解の確信が持てません。

日常的に考え、議論し、自分以外の人の考えを知り、人から意見をもらわないと「自分だけの考え」は独善でしかありません。

客観性を実感した上で、自分の意見を述べるという習慣がないと受け容れられないのが多様化社会の必要条件だということです。即ち、他者との関係性の中で解決して行くという21世紀型能力は、異文化交流の中でこそ育まれていくということです。

それを見越して大学入試では小論文を課す大学・学部が増えてきているのではないでしょうか。

帰国生にとっては、ここは強みです。異文化の中で、受け容れることと主張することを繰り返す習慣ができていますからね。異文化交流という環境の中で、議論の習慣を身につけた帰国生には追い風となるはずですし、受け容れ側にとっては、これからのグローバル人材候補の表現力や思考力を測り、選抜試験として機能させるには最もよい手段だということではないでしょうか。