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子どもに対するリスペクト‐根の深い木 27‐

テレビでスポーツを観ていると、選手が独り言を言っている場面をよく見ます。

感情をコントロールすることが、パフォーマンスを左右するメンタルスキルだということがわかります。

プラス思考に「変えよう」と思うだけで簡単に変えられるものではないでしょうし、ストレスやプレッシャーに負けてしまう人の方が多いように思います。

「終わってしまったことを後悔したところで、その結果は変わらない。プラス思考になるほうが、良い結果につながりやすい」・・・誰でも、そうわかっています。

ところが、私たちは難しい局面に当たると、本来なら大丈夫な局面でも、知らず知らずのうちに失敗へと向かってしまいます。ネガティブな言葉が、悪いイメージを抱かせて、よくない結果の方へ引っ張っていきます。

そこで「心配ない、うまくいく」という言葉を自分にかけることで、これを避けることができると知っているのが一流の選手なのでしょう。

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さて、中学受験が、高校受験や大学受験と決定的に異なるのは、求められるメンタルです。

高校受験も大学受験も当日までに培った実力前後の力で合格することもできれば、不本意に不合格になってしまうこともあります。

しかし、中学受験は、普段通りの力を発揮することが特に難しい受験です。模試の合格判定通りの結果にならないことも多い厳しい受験です。

普段の勉強でも模試でも入試当日でも、マイナス思考、プレッシャー、いったん悩み始めると、不安がさらに大きくなるという悪循環に陥ります。

子どもは、何かに耐えたり、大人からの叱責によって高いパフォーマンスを発揮することはできません。

「やる気はあるのか」「何度言ったらわかるんだ」「誰のためにやってるんだ」

スポーツでも「遊びじゃないんだぞ!」なんて怒鳴るコーチのもとで練習している子どもはかわいそうです。

やはり、子どもに対するリスペクトがある指導者が大切です。

人間性を褒めることは大事です。大人だって一流のアスリートのようには独り言で自分をコントロールできないのに、子どもにそれを求めてもうまくは行きません。だから、褒めて伸ばすことが大切なのだと思います。

知育、徳育、体育。子どもと関わる時間に限りがある進学塾では知育に特化せざるを得ませんが、子どもを一人預かって教育することが如何に大きなことかを、指導者は深く考えなければなりません。