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グローバル人材は充足するか‐根の深い木 30‐

海外に拠点を持つ企業は、グローバル人材を必要とします。日本の学生のグローバルコンピテンシーを高めるために、新学習指導要領では小学校英語が教科化され、センター試験に代わる「大学入学共通テスト」では、英語は民間資格試験が導入されます。

「グローバル人材」の定義についての議論もありますが、私は、社会に出る前の学生たちにとって、その定義に意味があるようには思いません。海外で暮らし、外から日本を見るという経験をして、初めてたくさんのことに気づくことができますし、その経験が今後ますます重要になっていくと信じているからです。まずは、感受性豊かに様々なことに気づいてほしいと思います。

また、日本の良さは日本で暮らして日本だけを見ていたのではわからないと思うこともあります。さらに、自らがアウェイな体験をして、異文化をリスペクトし、多様性を受け入れ、世界の一員と自覚できることで、初めてグローバルな思考ができるようになるのではないでしょうか。

現代社会には環境問題やエネルギー問題、人口問題など、国をまたいで、いろいろな国の人たちと協力しながら解決していかなくてはならない課題がたくさんあります。

ですから、世界の問題に関心を持ち、公平な立場で、深く考え、自分たちの問題として捉えることができる人こそエリートでありリーダーとなってほしい人だと思います。

そして、知識を総動員して、より良い答えを導くことができる人を育成するのが教育の使命だと私は、気負っています。

もちろん、日本人全員がグローバル人材でなくてはならないわけでもありません。

日本は安全で清潔で豊かで、非常に暮らしやすい国です。積極的に子どもを海外に出すという気持ちにならなくても不思議ではありませんし、経済的にも簡単なことではありません。

しかし、日本にいる生徒の皆さんは、自らの将来に、チャンスを活かせるだけの努力を社会に出る前にするのは決して無駄にはならないと思います。