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21世紀型‐根の深い木 32‐

かつての教師は、授業前に一生懸命に教材研究をして、どのように教えれば、生徒が覚えてテストの時に再現できるかに腐心していました。そして授業では「こうやって覚えれば良い」「こういう問題はこうやって解く」など「覚え方」と「解き方」を手取り足取り教えて、教えた通りにできるかを試し、念を押し、さらに途中経過を小テストで確認していました。

しかし、この方法では「21世紀型スキル」を育むことはできません。

授業時に、どんなにわかりやすくても、理解した後、その知識を使えなかったり、忘れてしまったりしたのでは意味がありません。生徒たちはテストが終わるまで覚えていればそれでいいと考えてしまうようなケースもありました。「一夜漬け」という学習方法はそうでなければ思いつきません。深く理解ができて定着するということが大事なのですが、一夜漬けや消去法がまかり通るのは出題方式がそれを通用させていたということですし、テスト対策は必然的に目的に対する手段でした。

社会科で、「版籍奉還、廃藩置県、学制、徴兵令」を教えても「知識の羅列」に終わってしまいます。制度を理解しながら、それがどのような社会の構築につながったのか、考える歴史教育にはなりません。

多様な観点から疑問を大切にして全体のレベルを上げていき、様々な考えを組み合わせることで「答えが出る」発問をして考えさせる–そういう授業を目指すことが21世紀型能力を育むことになると確信して私たちは取り組んでいます。