· 

趣味を通して ‐根の深い木 42‐

私にもささやかな趣味があります。20代の中頃、当時、ソムリエ協会の顧問やドイツワイン協会の会長をしていらっしゃった古賀守さんという方をご紹介いただく幸運に巡り合いました。そのご縁でドイツワイン協会主催の試飲会に参加させていただき、学びながら嗜み、嗜みながら学ぶことを繰り返し、すっかりワインに魅せられてしまいました。

 20代の後半にドイツワイン協会に入会させていただき、分不相応なものを幾度かいろいろな方たちとご相伴に預かる機会も得ました。

私のような若輩者にも古賀氏は、鋭く本質的なことを教えてくださいました。また、この会に参加するたびに、慎み深く談笑される愛飲家の方々からいろいろなマナーも教わりました。日本人はワインについて、わずかな知識であまりに多くを語りたがるといいますが、「人は、知れば知るほど語らず、知らねば知らぬほど語るものである」とは、この会の中でこそ学ぶことができた名言だと思っています。

 私は形だけでもそうした方たちを真似ようと、精一杯の恰好をつけていました。若い私には、口角泡を飛ばして熱弁したい気持ちを抑えるのは、なかなか理性を要することでした。それでも夜毎に“嗜んでは学び”を繰り返すうちに、私も良いものを紹介して喜んでいただくという心地よさが、少しずつですが、わかるようになりました。いちばんうれしいのは、お薦めしたものについての感想を言っていただけることです。これは、さまざまなケースで言えることですし、自分が何かをいただいた場合でも同じだと思って実践しています。自身が感動した書籍や映画、美味しいだけでなく快適なおもてなしを受けた料理店など、人にお薦めして、感想を述べていただいたり、さらにそのうえで喜んでいただけたりするのは、とてもうれしいものです。

 翻って、サービス業としての民間教育者である私たちNYCAは、会員である生徒や保護者を通して薦めていただけるよう、そしてよりよい感想を持っていただけるように、指導するための準備をしっかり行い、子どもたちの学習状況を観察しながらフィードバックすることを繰り返し、保護者の方々から信頼を得られるように夜毎に奮闘している次第です。

(ちょっと強引に結論づけてしまいました)