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気持ちを立て直す ‐根の深い木 44‐

テストの結果が良くなくて、意気消沈している生徒がいました。しょぼくれきって取り付く島がない状態でしたが翌日、会話したところ、「お母さんに慰めてもらった」と立ち直っていました。上手くリセットして、その日の授業はいつも通り、快調でした。

結果が出なければ、落ち込むことは当然ですし、本人なりに分析もしていましたから、あとはメンタルな部分で引き摺らないことだけが課題でした。この生徒は、スポーツを熱心にやっています。小学生ながらも、いろいろなシチュエーションでの自分の気持ちの性能を知っているように感じました。

大人でも子どもでも、気分というものがあって潮の満ち干きのようにテンションが上がったり下がったりします。ですから本人が、まず自分にはそういう状態があるということを知っていることが重要です。自分の心や体の性能を知っておくということです。

精神的にカバーできるのは一瞬のことですからそういう状態を計算に入れてはいけません。

「“気合い”を入れたからもう大丈夫」なんてことはあり得ません。

スポーツで試合前に、気合いだか怒号だかわからないような雄叫びで、場合によっては、選手が泣いてしまっているような光景を見ることもありますが、興奮しすぎているのではないかとハラハラします。それはそれで見ている私も一緒になって感極まって泣きそうになることもありますし、闘志をかき立てているということも十分に理解できます。しかし、そういう一時的なモチベーション頼みにならないように自分のメンタルの性能を知っておいた方が、成長を継続できるように思います。モチベーションを維持させるための方法ですね。

成長し続けている人は一時的な気合いとは無縁で、習慣を大切にしているように思います。イチローなど一流のアスリートは典型的なのではないでしょうか。習慣を大切にする人は、気持ちをコントロールすることを大切にして知的で冷静な闘い方をしています。