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双方向性の高い授業の中で ‐根の深い木 48‐

私が学生時代には、モチベーションとかコミュニケーション能力という言葉は日常語ではなく、単なる英単語でした。言葉が流通して概念が広く認知されるということは、その言葉ないし、概念が世の中から必要とされており、かつ不足しているということです。物理的なモノの不足ではないのに、不思議ですね。差詰め今は、社会性と非認知能力でしょうか。

これら4つの言葉は、「ある」とか「ない」、または「高い」とか「低い」で表現されます。一体どういうことが身に付けられれば「ある」と言えるのでしょう。モチベーションもコミュニケーション能力も社会性も非認知能力もかつては、性格として捉えられていたように思います。どれも人間関係の中で身に付けていくもので「協調性がある」とか「思いやりがある」とか「積極性がある」とか通知表の所見欄に書かれているようなものだったような気がします。数値化できないから所見欄に記載されていたのでしょう。学校でも企業の面接でも、評価の対象項目だったはずです。数値化されたモノとどちらを優先するかですが、少なくとも企業は、採用の際には、数値だけで人を評価しません。数値はおもにスクリーニングの際に使用されるものです。

社会性も非認知能力もコミュニケーション能力もモチベーションも直接的な「学業」以外の環境で身につけていくものと考えられています。これら4つの要素は「うまく人づきあいができる」とか「人のことを気にかけられる」とか「知らない人と接するときどうしたらいいのか」とか「相手の立場で考える」とか、全ては人と接することの基本です。人を介さないビジネスというのはありませんから、社会に出ると必要に迫られますが、社会に出てから無理に鍛えられるものではありません。社会に出る前に、「丁寧に」、「手本を見せていると気づかれないように」教えるのが一番いいと思います。私は、これらは双方向性重視の授業の中で充分に実践可能だと思っています。