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社会が変化してゆくとき ‐根の深い木 54‐

社会が大きく変化し、求められる人材の条件も変わっていくのですから、当然、学力の定義も変わっていきます。 

 学力の定義が変われば、学び方も変わってきます。

 学び方が変われば、学んだ「後」も変わっていきます。

 変わらなければ教育改革の意味がありません。

 

これからの「学力」や「学び」は、「現実を良くする」という具体的な目的に基づいて実践されていくことになります。いくら知識や資格があっても、実社会の中でたくましく生きていくことはできません。

 たくましく生きていけるようになるということは、個々に力が備わっていくということです。そうなりますと、今後は仕事観、就活観、転職観も変わっていくでしょう。卒業後、数年の間に使えるスキルを身につけてから就職することになるかもしれませんし、転職がとてもポジティブなものになっていくかもしれません。

 複数の会社での勤務経験が強みになることもあるでしょう。一つの会社での経験が長くても、そこでしか通用しない能力になってしまうということです。

もちろん「簡単に会社を辞めるべきだ」と言っているのではありません。今の会社が敷いたレールの上で、これまでのように「会社が何とかしてくれる」という考えの人は通用しなくなるということです。

 逆に、同じ会社にいても社会の変化に対応させようとする人、組織を改革できる人の価値はとても高いものになります。そのことに早く気づき、早く対応した人が高い評価を得るはずです。

 「変えていく力」「サバイバルできる力」があるかということです。そのために自己投資という手段を目的化してはいけません。今後求められていく能力は「現実に応用できる力」です。現実社会は、資格試験より複雑です。

 これからは特に複数の条件を同時に満たすことができない状況に向き合う能力が要求されます。『意見や利害の衝突、葛藤を乗り越えられる人材』『いずれも大事な価値に板挟みになりながらも優先順位をつけられる判断力を持つ人材』が求められる時代です。

 私たちは、手に余る壮大な目標ばかり語りがちな業界にいますが、子どもたちに「夢を持て」という前に、子どもたちに対して夢を持っています。そのために、少しでも役に立ちたいと考えるところから、授業に取り組んでいます。