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サマーキャンプ ‐根の深い木 72 ‐

 日本では、まだ普及していませんが、欧米では小・中学生のサマーキャンプは、長い歴史を持つ教育プログラムです。私たちは、トロントのサマーキャンプに日本から参加する小学生に対する教育のお手伝いをしています。将来、海外への進学を考えている人やネイティブの発音を身につけたい人、国際感覚を養いたい人には最高のプログラムです。トロント市内の大学のレジデンスを使って行うので、海外の学校の雰囲気を感じることもできます。

 「子どもたちに英語を好きになってもらう」という目的もありますが、子どもだけで飛行機に乗ること自体が冒険です。3週間以上も親元を離れ、普段出会うことのない人々と過ごす非日常体験のなかで、ダイバーシティを感じてもらいます。ここで子どもたちは日常生活では味わえないたくさんの体験をします。この体験は、子どもたちの自立を促す絶好機となります。私たちがお手伝いをしているキャンプは英語体験と自然体験のミックス型で様々なアクティビティを楽しみながら学び続けます。私たちは今年、日本から30名以上の小学生を迎えました。

 TV、ネット、ゲームから完全に離れ、本物のアクティビティを体験し、ネイティブの英語に触れ、リアルに海外生活を体験します。学校や塾で感じるようなプレッシャーもありません。いつもリラックスして考え、どこでもコミュニケーションを試みます。まさに、次年度からの教育改革が標榜するグローバル人材教育の急先鋒です。

 集団生活は周りの人との関係が大事ですし、自立心を刺激します。食器を片づけたり、荷物を整理したり、洗濯したり、自分でやらないといけないことがいっぱいあります。彼らは、進学塾では学べないことを外国で夢中で学びます。キャンプの終盤では「来年は、受験生だから来られない」と寂しそうに話していましたが、そのことさえ自覚していくようになります。もちろん、各ご家庭の豊富なコミュニケーション量の賜物なのですが、タイミングも優先順位も理解している子どもの感受性を心強く思います。教育は10年経ったら、必ず成果を見ることができます。現在小学6年生の子どもは10年経てば社会人になります。子どもの頃にこれほど夢中になることができた体験、帰国前夜のフェアウェルパーティーや帰国当日の空港での惜別、これほど感受性を豊かにする体験が大人になって開花しないことはあり得ません。