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今の生徒とこれからの教師‐根の深い木 78 ‐

今の子どもたちはとても物知りです。iPadやスマホで知りたいことを簡単に検索できますし、興味のある事柄に、すぐにアクセスして関連動画を見ることもできるので、関心がどんどん横に展開し、早くたどり着き、深く知ることができます。とても便利で優れた学習アプリもあります。教師が授業前に、ネットで調べて準備しているようなレベルですと、到底、生徒たちの知的好奇心を満たすことはできません。それどころか、生徒の方が深く掘り下げているケースも珍しくありませんから、初めからネタバレしていても不思議ではありません。事柄によっては、子どもの方が圧倒的に豊富な知識を持っている場合も珍しくありません。この部分では教師受難の時代です。古いスタイルの一斉授業で、単に知識を教え込もうとしている教師は、自身の授業を見直さなくてはいけません。

ところで、AIやロボットの話になるとよく「数年後にはなくなる職業」という話が持ち出されます。AIによって取って代わられる職業がたくさんあるそうです。

教師は大丈夫なのでしょうか。なくなるという人もいらっしゃいますから、なくなるという理由をなくしてしまわないといけませんね。確かに、これからは「人間」が「ライブ」でなければできない授業をしておかないと、AIやアプリやYOUTUBEやロボットに負けてしまう可能性があります。そもそも教師がネットで検索したりYOUTUBEを活用して興味を持たせたり英語の発音を練習しています。

こうなりますと、残されたのは人間である教師にしかできない「学びの面白みと喜びを実感させること」しかないのではないでしょうか。パッションです。教科指導で言えば、「この先生は一体どれだけ、この教科のことが好きなのだろう!?」と驚かせるくらいのものです。この教科が好きで好きでしょうがないという空気が伝わらなければなりません。

全ての教師がそういう授業を展開するべき時代です。そういうことはAIでは、おそらく難しいはずです。

 

さらに、授業で議論するには、きちんと個々の生徒を理解していなければなりません。教師と生徒の人間関係、生徒同士の人間関係の把握が欠かせません、一筋縄ではいかない場面に遭遇するはずです。ですから、さまざまな細かい手立てを練り上げておく必要もあります。こうした複雑な授業をできるようにするために、教師は、新しい指導の方法を学ぶ必要があります。知識の伝達だけでは、取って代わられるかもしれません。生徒をどんどん動かして、生徒が主体的に学んでいけるようになる教育を考えていかなくてはなりません。教師という仕事はこれまで、社会性を要求されていませんでした。十年一日が如くの知識の切り売りと言われていました。しかし、これからの教師という仕事は、社会と分断できません。しかし、ここが強みになると思います。常にアンテナを張り巡らせて、しっかり社会と繋がっておく仕事になっているのです。ものすごいスピードで移り変わっていく現代社会の中で、子どもたちと社会を結びつけていく仕事になっていく必要があると思います。