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アクティブラーニング‐根の深い木 79 ‐

アクティブ・ラーニングというのは、学ぶ姿勢や態度が受動的ではなく能動的な学習のことです。教師が一方的に講義をし、生徒は教師が板書したものをノートにとるという従来の授業スタイルですと生徒は判断力や表現力が身につきません。生徒が、ただ聞いているふりをしているだけ、板書を写しているだけでも授業時間は過ぎて行ってしまいます。

 

アクティブ・ラーニングで身につける力とは、知識の活用力としての判断力や表現力や主体性です。自分は何が言いたいのかをはじめに伝え、次に根拠を説明する。この手順を身につけていくということです。自分で情報を集め、他の人の意見を聞きながら、意見を述べる

 

 これは社会に出る前に身につけるべき良い訓練にもなります。

 

親世代から見ると「アクティブ・ラーニングは受験勉強には不向きではないか」という気がするかもしれません。これまでの大学入試が、「知識の量と正確さ」を問うものでしたから。親が今までの価値観を一掃し変化に対応していかなければいけません。

 

進学や就職というのは「子どもにとって」という意味で、子どもが自分の力を発揮できたり、子ども自身が選べたりすることです。情報化の進展で私たちは、世界中で起こっていることを瞬時に知ることができるようになりました。言葉さえ通じれば、世界のどこにいてもコミュニケーションがとれるようになりました。よその国で起こったことが私たちの生活に影響を与えるようにもなりました。企業経営も国境を越えて行われることが多くなりました。周辺のアジア諸国は経済成長を遂げ、これまでの生産の下請けの立場から、ライバルになり、さらに消費大国になってきています。日本の位置づけは大きく変化してきているのです。いろいろな分野でこれまでの成功モデルは過去のものになろうとしています。これからの時代に求められるのは、これまで世の中になかったような新しい知識を創造する力です。そんな中で教育の現場では新指導要領への切り替わりに先行して、授業は変わりつつあります。例えば、社会科は、探求型の授業として生徒の興味関心を引き出しやすい科目です。溢れるほどの情報を吟味する過程で様々な知識が得られます。中3の公民などは実社会と結び付けて考えられる科目になれば、とても面白いはずです。生徒は、自分の興味を見極められれば、自動的に学び出します。探求型のアクティブ・ラーニングは、入試と矛盾しないものです。もちろん「探究」と言ってもインターネットで検索すれば大抵のことはわかりますから教師がファシリテーターとして関与することで調べ方や議論の仕方、発表の仕方を学ぶには効果的です。何かについて知りたい、物事の本質について見極めたいとなれば、得られる知識はどんどん詳しくなっていきます。知識が広く、詳しくなっていくと、問いが問いを呼び、探究と呼べるものになって行きます。

並行して日本語の活用能力、英語の活用能力、数学的な論理の構築力を高め、それらを使った総合的な能力を高めていくのがこれからの学習です。大学受験と生き方がきちんと連携していくということです。そして、身近にいる大人は、子どもたちに大学進学も就職も、社会でどう生きるかという目的を達成していくものだと実感できるように伴走してやるのが務めだと思っています。