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スピーチ‐根の深い木 92 ‐

世の中には、何でもぶっつけ本番でやっているように見える人がいますが、実はそんなはずはなくて、練習しているところを見せていないだけです。どんなに些細なことでも、短いスピーチでも何日も前から練習しているかもしれません。

周りは準備しているところを見たわけではないので、本番ではいつも成功している「本番に強い人」だと思い込んでいます。私の知っている方で、周りからはスピーチ名人と思われている人がいます。その方は、数枚の原稿を丸暗記して、その原稿をお守り代わりに内ポケットに入れているとおっしゃっていました。一部の天才的な話者でないかぎり、みんな猛烈に練習しますし、本番直前は、大抵は緊張しています。

話すのが上手な人は、みんな日常の中で準備をしています。

この状況でこの人に会ったらどんな言葉をかけようかなと考えながら過ごしています。

プレゼンテーションや結婚式などのパーティのスピーチなど、大勢の人前で喋る時には、誰でも緊張します。「緊張してうまく話せなかった」という人は、やはり準備不足が原因のはずです。スピーチの質を上げるためには、何度も練習するしかありません。人前で喋る機会のある方は、徹底的に取り組むしかないと思います。若い頃、スピーチの上手な先輩に秘訣を尋ねたら「慣れだよ」と簡単に言われましたが、以来40年過ぎても「慣れ」でうまく話せたことは、一度もありません。

私は結婚式のスピーチでは、ものすごく緊張します。

「場数を踏めば緊張はなくなる」と言う人がいますが、場数を踏むだけでは克服できません。私は随分たくさんの結婚式に出席していますが、リラックスして気持ちよく話した経験はゼロです。ほとんどの場合、自己嫌悪に陥って、そのあとのご馳走の味わいに支障をきたします。そう考えますと、学校の授業で頻繁にプレゼンテーションをしている現地校の生徒たちは、本当に努力していると思います。私の中学・高校時代にプレゼンの授業を導入して欲しかったです。